(注記)この記事は、フランス語を全く知らない人にも分かりやすいよう、文法など大胆に単純化して記述しています。例えば、フランス語の名詞には男性名詞と女性名詞があり、文法書などでは逐一、(不)定冠詞をつけて記述していますが、それを気にしていては楽しくないため、例文以外は捨象しています。また、動詞の活用も英語より複雑多岐に渡りますが、あくまで実践に即した説明しかしていません。さらに、フランス語を聞き取るのはかなり勉強を進めなければ至難の業のため、こちらから話してみることを前提に話を進めています。発音についても、微妙な違いはあえて無視して、読み方も日本語で示しています。ただ、単語によって読み方がまちまちの英語と違い、フランス語は極めて規則的で例外が少ないのが特徴です。世界で最も文法の体系だった言語と言われますから、一度ものにしてしまえば後はスムーズにいきます。
機内にて
入国/出国検査
荷物受取所は「Livraison des Bagages」(リヴレゾン デ バガージュ)。「bagage」(荷物)という言葉は覚えておきましょう。スーツケース(「valise」ヴァリーズ)が出てこない時は、「Services Bagages」(セルヴィス バガージュ)へ向かいます。
出国の際にスーツケースを機内預けにするのも最近は自動化が進んでいて、機械の操作に慣れると物事がスムーズに運びます。もちろん操作に戸惑う人たちのために係員もいますから、分からない時は「Comment faire?」(コモン フェール)と聞きましょう。「comment」は英語の「how」で、「faire」は英語の「do」です。列車の切符を券売機で買う時にも、周りの人にこう聞けます。
飛行機(「avion」アヴィオン)に関しては、搭乗は「embarquement」(アンバルクマン)から搭乗券は「carte d’embarquement」(カルト ダンバルクマン)、搭乗ゲートは「porte d’embarquement」(ポルト ダンバルクマン)などは覚えておくといいでしょう。基本的に「carte」はカード、「porte」は「玄関・ドア」を意味します。他に、カウンターは「comptoir」(コントワール)、便は「vol」(ヴォル)、待合室「salle d’attente」(サル ダタント)、出発ロビー「hall de départ」(オール ドゥ デパール)など。「salle」は「部屋」、「hall」は「ホール」。「attente」は待つ(「attendre」アターンドル)の名詞形、「départ」は出発する(「partir」パルティール)の名詞形。
パリ市内へのアクセス
ここではシャルル・ド・ゴール空港(Aéroport Charles de Gaulle)に着いたとして、そこからパリ市内へどう入るかを述べます。同空港はパリの北東約25㌔に位置し、所在地の地名からロワシー(Roissy)空港とも呼ばれます。同空港は無茶苦茶広く、ターミナルも3つに分かれています。出国の際には当該の飛行機が飛び立つターミナルを間違えるととんでもないことになりますので、注意しましょう。エールフランス航空(Air France=AF)や日本航空(Japan Airlines=JL)は、「ターミナル2」から発着しています。
パリ市内へはバス「Bus」(ビュス)が便利です。2つのバス会社、ル・ビュス・ディレクト(Le Bus Direct)とロワシーバス(Roissybus)が各ターミナルを巡回した後、パリ中心街に向かう幾つかの路線を走らせています。ホテルの場所によって路線を選べばいいですが、僕はオペラ座近くへ向かうロワシーバスを利用することが多いです。チケットは券売機で購入できますが、最近はキャッシュレス化が進んだせいか、運転手が釣り銭を準備しきれず、運転手からの直接購入がしにくくなっています。市内まで所要は1時間ほど。
ホテルにて
英語の「check-in」「check-out」はそのまま使えます。正式なフランス語は「entrée」(アントゥレ)、「sortie」(ソルティ)です。
ホテル(「hôtel」オテル)は日本ですでに予約「réservation」(レゼルヴァスィオン)しているのが普通ですから、受付「réception」(レセプスィオン)で「J’ai une reservation.」と言いましょう(「ti」は「スィ」の発音が基本)。「ai」(エ)は英語の「have」に当たる「avoir」(アヴォワール)の一人称単数形で、「J’ai」で「ジェ」と読みます。「une」(ユヌ)は英語の不定冠詞「a」の女性形で、男性形なら「un」(アン)、複数形なら「des」(デ)となります。名前「nom」(ノム)を告げて、宿泊カード「fiche」(フィッシュ)に記入する「remplir」(ランプリール)ことを求められます。国籍「nationalité」(ナショナリテ)、住所「adresse」(アドレス)、職業「profession」(プロフェッシオン)ぐらいは理解しましょう。
姓名は苗字が「nom de famille」(ノム ドゥ ファミーユ)、名前が「prénom」(プレノム)です。国籍は「Japon」(ジャポン)です。職業は多種多様ですが、サラリーマンなら「employé」(アンプロワイエ=会社員)が妥当でしょう。
ホテルでは朝食について改めて聞かれることもありますが、朝食は「petit dejeuner」(プティ デジュネ)と言います(「eu」は「ウ」の発音)。「dejeuner」は本来、「昼食」の意味で、「petit」は「小さい」。ちなみに、「夕食」は「diner」(ディネ)。
建物は日本の二階が「(欧米流の)一階」、日本の三階を「(欧米流の)二階」と言うのは、欧米諸国共通です。フランス語では一階(日本の二階)は「premier étage」(プルミエ エタージュ)、二階は「deuxième étage」(ドゥージエム~)、三階は「troisième étage」(トロワジエム~)となります。「étage」が「階」。フランスの「1」「2」「3」は「un」「deux」(ドゥー)「trois」(トロワ)ですが、「premier」は英語の「first」、二番目以降は数字に「ième」を付けます。フランス語の数字については、別途まとめます。「réception」のある日本の一階は、「rez-de-chaussée」(レ ドゥ ショセ)と呼びます。
チェックアウトの際は「Je voudrais faire le check-out.」(ジュ ヴドゥレ フェール ル チェックアウト)と言いましょう。「voudrais」は「vouloir」(~したい)の条件法(一人称単数)で、「~したいのですが」と婉曲に言う場合に頻繁に使います。要するに、英語の「would」に当たります。ですから動詞の変化など気にせず、他人に要望を訴える際には「Je voudrais+不定詞」という言い方は覚えておくと便利です。部屋での飲食代や宿泊税を別途求められることもありますので、「La note, s’il vous plaît.」も覚えておきましょう。「note」(ノト)はここでは「勘定書」。
クレジット・カードで支払うなら「Vous acceptez la carte?」(ヴー ザクセプテ ラ カルト)と聞きましょう。クレジット・カードは正確には「carte de crédit」(カルト ドゥ クレディ)です。「carte」には「カード」の意味の他に「地図」「メニュー」といった意味もあり、後で出てきます。「acceptez」は英語の「accept」と同じで、「accepter」(アクセプテ=受け入れる)の二人称です。フランス語で、疑問文を作るには幾つかのパターンがありますが、平叙文のまま言って最後のイントネーションを少し上げるだけが一番簡単です。
ホテルに関わる単語を幾つか。部屋は「chambre」(シャンブル)。シングルルームは「chambre simple」(ラ シャンブル サンプル)、ツインルームが「chambre double」(~ドゥブル)なのは、英語からも類推できるでしょう(「ch」は「シュ」の発音)。浴室は「salle de bain」(サル ドゥ バン)、シャワーは「douche」(ドゥーシュ)、トイレは「toilettes」(トワレット)。「salle」は特定目的の部屋を差し、「bain」は入浴です。階段は「escaliers」(エスカリエ)、エレベーターは「ascenseur」(アサンスール)で、非常口は「sortie de secours」(ソルティ ドゥ スクール)ですが、たいがい英語で「EXIT」と書かれています。ちなみに、「sortie」は出口、「secours」は救助です。
電車に乗ろう
パリをはじめフランス国内は交通機関が発達していますから、電車「train」(トラン)や地下鉄「métro」(メトロ)をふんだんに利用するのがよいでしょう。
パリから市外へ出るにはフランス国鉄(SNCF=Société National des Chemins de Fer Français)や、パリ市内と近郊を結ぶ高速郊外鉄道(RER=Réseau Express Régional)、パリ近郊路線(Transilien)などが複雑に入り組んでいます。ちなみに、パリからヴェルサイユ宮殿に行くには、SNCF1本とTransilien2本の計3路線で行くことができます。相互に乗り入れていますのであまり気にすることはなく、ここではフランス語での切符の買い方などを伝授します。
切符「billet」(ビエ)はもちろん窓口「guichet」(ギシェ)で買うことができるはずですが、最近、窓口の数は減っています。代わりに、自動券売機が普及してきました。慣れれば券売機(guichet automatique)で購入する方が便利です(「il[l]」は「ィユ」の発音)。英語表示もあります。日本人でなくとも外国人には操作方法に戸惑うことはままあり、そういう時には先に述べた「Comment faire?」(コモン フェール)と駅員に聞きましょう。
ここでは、少し機会も減りましたが、窓口で切符を買うことを想定します。例えば、「リヨンまでTGVの切符を1枚お願いします」と言う場合には、「Un billet de TGV pour Lyon, s’il vous plaîit.」となります。目的地を言うには、「~のために」(英語のfor)を表す「pour」(プル)を使います。片道は「aller simple」(アレ サンプル)、往復は「aller retour」(アレ ルトゥール)です。「aller」は英語の「go」です。TGVなど指定席を買う場合には、時間の言い方を覚えなければなりません。「à 11 heures 35」のように言います(数字の数え方は別項)。「à」は時間の方向も表します。「heure(s)」は英語の「hour」ですが、「~時」と言う時にも使います。1等車は「première classe」(プルミエール クラス)、2等車は「deuxième classe」(ドゥージエム クラス)です。どこのホーム(「quai」ケ)から出るかはそのつど駅構内の掲示板に表示されますので、確認を忘れずに。
乗り換えの表示は「Correspondance」(コレスポンダンス)。「乗り換える」は英語のchangeに当たる「changer」(シャンジェ)を用います。「乗り換えなければならないですか?」は「Dois-je changer?」(ドワ-ジュ シャンジェ)。「dois」は英語の「must」に当たる「devoir」(ドゥヴォワール)の一人称単数形。直行は「direct」(ディレクト)です。
料金(「tarif」タリフ)などお金の支払いの仕方は、次の【買い物】の項で述べます。車内の関連では、座席「place」(プラス)、番号「numéro」(ニュメロ)、車掌「contrôleur」(コントゥロルール)など。
フランスの新幹線、TGV(テ―・ジェー・ヴェー=Train à Grande Vitesse 高速列車)は、パリの主要駅から各方面へ出ています。TGVの専用線もありますが、在来線と同じ線路も走っています。
パリ市内観光に、地下鉄であちこち動き回るには、10枚綴りの回数券(窓口では「carnet」カルネと言えば購入可)が割引価格ですし、便利です(「carnet」には手帳の意味もあり)。鉄道の「駅」は「gare」(ガール)、地下鉄の場合は「station」(スタスィオン)です。また、「バス乗り場」は「arrêt de bus」(アレ ドゥ ビュス)、「タクシー乗り場」は「arrêt de taxi」(アレ ドゥ タクスィ)となります(「arrêt」は「停車」)。
参照:「フランス 旅のコツ」
街に出掛けよう
フランス国内を歩き回る時は、ホテルの受付や、観光案内所(「office du tourisme」オフィス デュ トゥリスム)で街の地図を貰いましょう。日本語のガイドブック(「guide」ギド)より精密なので、必ず役立ちます。「Je voudrais un plan de la ville, s’il vous plaît.」(ジュ ヴドゥレ アン プランドゥ ラ ヴィル、シル ヴー プレ)と聞きましょう。「plan」は市街地図で、世界地図や日本地図のような広範囲の地図は「carte」(カルト)。「ville」は「都市」で、この場合には「ill」は「ィル」の発音。また、パンフレットは「brochure」(ブロシュール)です。パリ市内を回るには地下鉄の路線図も欲しいところで、その場合には窓口で「de la ville」を「du métro」に変えればいい訳です(「du」=デュは「de」+「le」)。
さて、地図は持っているものの、道がよく分からなくなりました。道を尋ねるには、まず「Excusez-moi.」と声を掛けましょう(「Pardon.」=パルドンは、ちょっと道を開けてもらう場合などに使用)。道の尋ね方は様々ですが、「…… est où?」(…… エ ウ)が最も簡単です。「est」は英語の「is」で、「où」は英語の「where」です。ちなみに、「ou」だと英語の「or」で、区別するのに「`」を付けています。「トイレはどこですか」は「Les toilettes sont où?」。「toilette」はなぜか、常に複数形。ですから、「sont」は英語の「are」です。フランスの街はトイレが見つかりにくく、旅行の間何度もこう問いかけました。
ヴェルサイユ宮殿(Château de Versaille)に行った時に、同じ敷地内だが遠いところにマリー・アントワネットなどなどが離宮を営んだTrianon(トリアノン)があり、道に迷ってしまいました。そこで、フランス人に「Excusez-moi, Trianon est où?」と尋ねました。返ってきた言葉は、「Tournez à droite, et droit.」(トゥルネ ア ドロワット、エ ドロワ)でした。「et」は英語の「and」。「turnez」は英語の「turn」に当たる「trouner」の丁寧な命令形。「droite」は「右」、ちなみに「左」は「gauche」(ゴーシュ)。「droit」となると、こちらは「真っ直ぐに」という意味になります。ちょっとややこしいですね。
観光名所は、美術館・博物館(「musée」ミュゼ)や劇場(「thêatre」テアトル)、城(「château」シャトー)。【電車に乗ろう】で出てきた「guichet」(窓口)、「billet」(切符)、「tarif」(料金)、「place」(座席)などの単語は共通です。
買い物
フランスへ行くと、ブランド品やお土産、雑貨など何か買って帰りたいものですが、買う品物によって、デパート(「grand magasin」グラン マガザン)か、スーパーマーケット(「supermarché」スューパーマルシェ)を訪れます(「magasin」は「店」、「marché」は「市場」)。
デパートでカバン(「sac」サック)を買うことを想定して、「Excusez-moi, le rayon des sacs est où?」。「rayon」(レイヨン)は「売り場」。階の数え方はホテルと同じです。どこどこのブランド品を求める場合には、「Est-ce qu’il y a des sacs de la marque ~?」(エ ス キリヤ デ サック ドゥ ラ マルク ~)と聞きましょう。「marque」が「ブランド」。「Est-ce qu’il y a ~?」は英語の「Is there ~?」に当たり、「~はありますか」と聞く常套文句。文法的にはややこしいので、そのまま覚えましょう。ちなみに、英語の「There is ~」は「Il y a ~」(イリヤ~)です。差し出された物が気に入らない時は、「Est-ce qu’il y a d’autres choses?」(エ ス キリヤ ドォートル ショーズ)となります。「autre」は英語の「the other」と言ってもいいでしょう。「chose」は「物」です。先に疑問形にするには平叙文のまま最後のイントネーションを上げる例を紹介しましたが、文頭に「est-ce que」(エスク)を付ける方法もあります。さらに、主語と動詞をそのまま倒置する方法もあります。
「marché」市場では、値段の交渉もありです。値段の聞き方は多種ありますが、「ça coûte combien?」(サ クット コンビヤン)を用いています。語呂がいいからです。「coûte」は「値段が~である」を表す「coûter」の三人称単数形。「combien」は英語の「how many(much)」に当たります。「ça」は英語の「this」「that」でしょうか。「ç」は「c」と同じで、「a」「u」「o」が付く時には「カ」「キュ」「コ」の発音となるので、「s」と発音させたい時に「ç」となります(フランス語「français」もそう)。
フランスはユーロ圏ですから、貨幣単位は「euro」(ウロ)。その100分の1の単位が「centime」(サンティム)。例えば、65ユーロ50サンティムなら「65€50」と表記されており、細かくは「soixante cinq euro cinquante」(スワサント サンクーロ サンカーント)と発音します。「euro」は母音で始まるので、大概、前の単語と続けて読まれます。数字の発音・聞き取りは難易度が高いのです。
参照:「フランス語の数字」
値段を言われて高すぎると思ったら、「C’est trop cher.」(セ トロ シェール)と驚きましょう。「C’」は「ce」で、「ça」と同じと思っていいでしょう。ですから、「c’est」は「this is」ですね。「trop」は英語の「too」。「cher」は「値段が高い」意味で、フランス語では「値段が安い」という表現は「moins cher」(モワン シェール)と言います。「moins」はここでは「~でない」という意味の劣等比較級で、英語の「less」に近いでしょうか。ですから、「もっと安い物が欲しいのですが」と言う時は、「Je voudrais quelque chose de moins cher.」(ジュ ヴドゥレ ケルク ショーズ ドゥ モワン シェール)となります。「quelque chose」で「何か」です(「qu」は「ク」の発音)。
後は、色ですね。「Je prendrai un en noir.」(ジュ プランドレ アン ノワール)だと、「黒の物を一つください」となります。「prendrai」は英語の「take」に当たる「prendre」(プランドル)の単純未来形(一人称単数)。「en」は様々な使われ方をする前置詞ですが、英語の「in」に最も近いでしょう。色は他に、「blanc」(ブラン=白)、「bleu」(ブルー=青)、「vert」(ヴェール=緑)、「rouge」(ルージュ=赤)、「rose」(ローズ=ピンク)、「beige」(ベージュ)、「jaune」(ジョーヌ=黄色)など。
レジ「caisse」(ケス)で勘定を支払います。現金での支払いは「en liquide」(アン リキッド)、カードでの支払いは「par carte」(パル カルト)。「Je paie par carte.」(ジュ ぺ パル カルト)のように使います。「paie」は「payer」(ペイエ=支払う)の一人称単数形。
レストラン・ブラッスリーにて
レストラン「restaurant」(レストラン)やカフェレストラン・パブ「brasserie」(ブラッスリー)に入れば、まずはウェイター「garçon」(ガルソン)がメニュー「carte」(カルト)を持ってきます。ウェイターが忙しくてなかなか来ない時は、「Monsieur, s’il vous plait.」(ムッシュー、シル ヴー プレ)と呼びましょう。フランス語では、英語「Mr.」が「monsieur」、英語「Mrs.」が「madame」(マダム)ですね。「Monsieur (Madame), s’il vous plait.」は人への呼びかけは、いつでもどこでも使えます。
メニューは項目ごとに分かれていますが、基本的には以下のようでしょう。まずは食前酒「apéritif」(アペリティフ)、前菜「entrée」(アントレ)から、スープ「soupe」(スプ)、サラダ「salade」(サラド)と続き、メインディッシュ「plat principal」(プラ プランシパル)は魚料理「plat de poisson」(プラ ドゥ ポワソン)、肉料理「plat de viande」(プラ ドゥ ヴィヤーンド)、野菜料理「plat végétarien」(プラ ヴェジェタリアン)などに分かれます。「plat」は「大皿」の意味ですが、ここでは皿に盛られた料理を指します。さらに、パスタ「pâtes」(パート)、デザート「dessert」(デセール)、飲み物「boisson」(ボワソン)といったところでしょうか。
食べ物・飲み物については【機内にて】で少し説明しましたが、複雑な料理をここでは説明し切れません。まずは基本的な単語だけ覚えて、そこから料理を類推しましょう。
パン「pain」(パン)、卵「œuf」(ウフ)、ハム「jambon」(ジャンボン)、チーズ「fromage」(フロマージュ)といったところが基本単語。乳製品では他に、牛乳「lait」(レ)、ヨーグルト「yaourt」(ヤウール)、バター「beurre」(ブール)、クリーム「crème」(クレム)。
フランス料理には、そのまま日本語として定着しているものも多くあります。スープの「potage」(ポタージュ)、「consommé」(コンソメ)、料理では「steak」(ステック)、「gratin」(グラタン)、「sauté」(ソテ)、「carpaccio」(カルパッチョ)、「ratatouille」(ラタトゥイユ)、「pot-au-feu」(ポトフ―)、「bouillabaisse」(ブイヤベース)、「millefeuille」(ミルフィーユ)、「rosbif」(ロスビーフ)、珍味で「escargot」(エスカルゴ)、「foie gras」(フォワ グラ)etc.。ちなみに、「pot-au-feu」の「pot」は英語と同じ「壺」の意、「feu」は「fire」。また、「foie gras」の「foie」は「肝臓」、「gras」は「脂肪質の、太った」という意味の形容詞です。
デザートはアイスクリーム「glace」(グラス)と菓子「gâteau」(ガトー)が中心でしょう。「glace」は基本的には「氷」の意味です。シャーベット「sorbet」(ソルベ)、パフェ「parfait」(パルフェ)などです。「gâteau」では「crêpe」(クレプ)、「tarte」(タルト)、「mousse」(ムース)、「bavarois」(バヴァロワ)、「éclair」(エクレール)、「chocolat」(ショコラ)、「biscuit」(ビスキュイ)あたりは想像がつくでしょう。ちなみに、クッキーは「gâteaux secs」(ガトー セック)、ゼリーは「gelêe」(ジュレー)、キャンディーは「bon bon」(ボン ボン)です。「sec(s)」は「乾いた」という形容詞です。僕の好きなシュークリームは「chou à la crème」(シュー ア ラ クレム)、「gâteau au chocolat」(ガトー オ ショコラ)もいいですね。
ここで、関連する基本単語を並べます。
果物「fruit」(フリュイ)では、リンゴ「pomme」(ポム)、ミカン「mandarine」(マンダリーヌ)、オレンジ「orange」(オランジュ)、ブドウ「raisin」(レザン)、バナナ「banane」(バナヌ)、モモ「pêche」(ペシュ)、ナシ「poire」(ポワール)、イチゴ「fraise」(フレーズ)、クリ「marron」(マロン)、パイナップル「ananas」(アナナス)、メロン「melon」(ムロン)、スイカ「pastêque」(パステック)、レモン「citron」(シトゥロン)など。
調味料(「assaisonnement」アセゾヌマン)では、塩「sel」(セル)、砂糖「sucre」(スュクル)、ソース「sauce」(ソース)、ジャム「confiture」(コンフィテュール)、胡椒「poivre」(ポワーヴル)、マスタード「moutarde」(ムタルドゥ)、酢「vinaigre」(ヴィネーグル)、マヨネーズ「mayonnaise」(マイヨネーズ)、ケチャップ「ketchup」(ケチュップ)など。
食器(「vaisselle」ヴェッセル)では、ナイフ「couteau」(クト―)、フォーク「fourchette」(フルシェット)、スプーン「cuillère」(キュイエール)、ナプキン「serviette」(セルヴィエットゥ)、皿「assiette」(アシエットゥ)、グラス・コップ「verre」(ヴェール)、カップ「tasse」(タス)、瓶「bouteille」(ブテイユ)など。したがって、ワインのボトル1本は「une bouteille de vin」、グラス1杯となると「un verre de vin」となります。
大抵のお店ならフランス語とともに英語のメニューもあり、どちらがいいか聞いてくれます。どちらも貰っておいて、フランス語で分からないところは英語で見るのもいいかもしれません。
どんな料理か分からない時は、メニューを指差して「Qu’est-ce que c’est?」(ケス ク セ)が常套句です。「Qu’」は「que」(ク)の省略形で、英語の「what」。ですから、「What is this?」ですね。その後の「est-ce que」は前に述べた疑問形にする構文。「est-ce que」は文法的には無くともOKですが、日常語では「qu’est-ce que」が一般的となっています。料理の選択に迷った時には、お勧めの名物料理を聞きましょう。「Quelle est la spécialité?」(ケレ ラ スペスィヤリテ)。「quel(le) est ~?」も「~は何ですか」という時の常套句。「spécialité」は「名物、特産品」の意味です。「Qu’est-ce que vous recommendez?」(ケス ク ヴールコマンデ)も使えます。「recommender」は「勧める」です。
注文する(「commander」コマンデ)には、先述した「Je voudrais ~」でも、「Je prendrai ~」でも言えますね。もっと簡単に、「~, s’il vous plait.」でも構いません。料理が運ばれてきたら、「おいしく召し上がれ」=「Bon appétit.」(ボナペティ)と言ってくれるでしょう。
注文と違う料理が出たら、「Je n’ai pas commandé ça.」(ジュ ネ パ コマンデ)と言いましょう。フラン語で否定形にするには、「ne ~ pas」の構文を使い、間に動詞を挟み込みます。過去形は「avoir(être)+動詞の過去分詞」で、「aller」(アレ=行く)とか「venir」(ヴニール=来る)といった動きのある動詞には英語のbe動詞にあたる「être」(エートル)を用い、一般的には英語の動詞haveにあたる「avoir」(アヴォワール)を用います。「avoir」の一人称単数形「ai」(エ)は、「ne」と一緒になって「n’ai」(ネ)となります。過去分詞は幾つかのパターンがありますが、「commander」のように原形が「er」で終わる規則動詞は最後が「é」(エ)となり、きちんと発音します。
肉料理を頼むと、焼き加減を聞かれます。「Quelle cuisson?」(ケル キュイソン)。ウェルダン「bien cuit」(ビヤン キュイ)、ミディアム「à point」(ア ポワン)、レア「saigyante」(セニャントゥ)に分かれます。「bien」は英語の「well」、「cuit」は焼く「cuire」(キュイール)の過去分詞。「à point」は「ほどよい」との意味です。
勘定(「addition」アディスィヨン)は席で行い、ウエイターを呼んで「L’addition, s’il vous plait.」(ラディスィヨン シル ヴー プレ)と頼みます。「ごちそうさま」に当たる言葉はフランス語にはなく、それに代わる言葉は「C’était délicieux.」(セテ デリスィユー)が普通です。「était」はbe動詞「être」の半過去形と言い(ここでは三人称単数形)、過去における状態の継続などに使いますが、この辺りはあまり気にしないようにしましょう。「délicieux」はもちろん、英語の「delicious」です。支払いの仕方は買い物の時と同じですが、提示された金額より多少多く、キリの良い額で支払い、チップとして「お釣りは取っておいてください」と言えば粋な計らいですね。「Gardez la monnaie!」(ガルデ ラ モネ)。「monnaie」が「お釣り」、「gardez」は「garder」(取っておく)の命令形です。
いかがでしょうか。ここに挙げた単語や例文はごく初歩のものですが、現地で使ってみる手はあります。使ってみれば、フランス語に対する興味も次第に強くなってきます。僕の経験からも、実際の会話でトライする方が、語学上達の近道と思います。もう少し深い会話はまた別の機会に紹介しますので、ご期待ください。
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